ココロカラ

学校が終わって慌てて帰ってくる。
今日はごじょの誕生日だから。

お小遣いを貯めて買ったクッキーの材料。
レンジで出来るから火を使わないのでそんなに危なくない。
本当はケーキとか焼きたかったけど。
出来ないことをするよりも出来ることからやったほうがいいし。

「結構めんどくさいな･･･」
一生懸命作った生地を広げて伸ばす。

抜き型でいろんな形を抜き取ってそれを天板に並べてオーブンで焼いた。

香ばしい香りがして焼き上がったクッキー。
熱々を一つ味見してみると、思った以上に美味しくできた。

少し冷まして袋に全部詰めた。

「喜ぶかな」
江流はそれを持って悟浄の家に行った。

ピンポン。
返事を待たずにドアを開ける。

「ごじょ？」
部屋に上がると悟浄がソファにぼんやり寝そべっていた。

「こーりゅ？」
がばっと起きあがって反動で転げ落ちる。
その様子が面白くて二人で笑った。

「誕生日」
おめでとうと悟浄にクッキーを渡した。

「くれるの？」
袋を開けるとまだ熱いクッキー。
一つつまんで口に入れると、凄く美味しかった。

「うまーい！」
江流が焼いたクッキーを二人で食べた。
ほかに何もなくても、凄く凄く楽しかった。

「また来年も焼いてやる」
「約束なっ」
最高の誕生日プレゼントは、来年への約束付きだった。

---

(；・∀・)
いや、ちびっ子もお祝いしたかったの。
でもあのその。･･･び、微妙でごめんなさ･･･ｨ･･･
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　20051109　保紫