羽瀬川の『ブログというより更新履歴』
更新履歴としか言いようがない・・・
堕と浮
「・・・何やってんだ」
部屋の真ん中とは言い難い、ちょっと隅っこの方で頭を抱えるように体育座りなんかしている男に蹴りを入れる。
「んー・・・」
こっちを見ようともせず、蹲ったままの状態で『うー』とか『んむー』とか唸っている。
全く、困ったヤツだ。
毎日何が楽しいのか、馬鹿みたいに明るくて自分の周りにまとわり付く紅い髪と瞳を持つ男。
月一くらいで何か考えて沈んでいる。
話しかけてもまともに会話にならない。
今現在、こいつはまだ完全にどん底までは落ちていないらしい。
どん底まで思考を堕として、色々考えていっぱいいっぱいになって、急に浮上するのだ。
考えることは色々あるらしい。
仕事のこととか、生活のこととか、人間関係とか。
ぐるぐるぐるぐる一人で抱え込んで、自己完結するのだ。
愚痴くらいならいくらだって聞いてやれるのに。
項垂れていた頭がゆっくりと持ち上がる。
浮上してきたのだろう。
まだぼんやりしたままの瞳は、いつもより弱々しく見える。
少しずつ、少しずつその瞳がいつもの勝ち気な紅(いろ)へと戻って行く。
「おかえり」
「・・・三蔵、ただいま」
自分を見てくる目はもう、いつもの悟浄だ。
立ち上がってこちらへと歩み寄り、やんわりと抱きついてくる。
これもいつものこと。
浮上してきた悟浄へと、声をかけること。
ゆっくりと抱きしめ返してやる。
俺が出来ることはこれしかないらしい。
そしてこいつはいつも必ず同じ台詞。
「俺は俺なんだよなァ」
「当たり前だ」
手をいっぱいに広げても、自分は自分に出来ることしか出来ない。
人の真似なんかする意味もなければ、人に媚びることをする必要もない。
自分に出来る、精一杯をこなせば良い。
「お前はお前一人だろうが」
「・・・んv」
逆を言えば、お前の代わりなんていない。
そんなことも分からないんだから、こいつは馬鹿だ。
浮上してくるお前をこうやって迎えてやれるのも、俺しかいないと思っても良いんだろう?
堕ちたければ堕ちればいい。
いつだって、浮上して来るお前を、待っててやるよ。
20050219 御条 保紫
部屋の真ん中とは言い難い、ちょっと隅っこの方で頭を抱えるように体育座りなんかしている男に蹴りを入れる。
「んー・・・」
こっちを見ようともせず、蹲ったままの状態で『うー』とか『んむー』とか唸っている。
全く、困ったヤツだ。
毎日何が楽しいのか、馬鹿みたいに明るくて自分の周りにまとわり付く紅い髪と瞳を持つ男。
月一くらいで何か考えて沈んでいる。
話しかけてもまともに会話にならない。
今現在、こいつはまだ完全にどん底までは落ちていないらしい。
どん底まで思考を堕として、色々考えていっぱいいっぱいになって、急に浮上するのだ。
考えることは色々あるらしい。
仕事のこととか、生活のこととか、人間関係とか。
ぐるぐるぐるぐる一人で抱え込んで、自己完結するのだ。
愚痴くらいならいくらだって聞いてやれるのに。
項垂れていた頭がゆっくりと持ち上がる。
浮上してきたのだろう。
まだぼんやりしたままの瞳は、いつもより弱々しく見える。
少しずつ、少しずつその瞳がいつもの勝ち気な紅(いろ)へと戻って行く。
「おかえり」
「・・・三蔵、ただいま」
自分を見てくる目はもう、いつもの悟浄だ。
立ち上がってこちらへと歩み寄り、やんわりと抱きついてくる。
これもいつものこと。
浮上してきた悟浄へと、声をかけること。
ゆっくりと抱きしめ返してやる。
俺が出来ることはこれしかないらしい。
そしてこいつはいつも必ず同じ台詞。
「俺は俺なんだよなァ」
「当たり前だ」
手をいっぱいに広げても、自分は自分に出来ることしか出来ない。
人の真似なんかする意味もなければ、人に媚びることをする必要もない。
自分に出来る、精一杯をこなせば良い。
「お前はお前一人だろうが」
「・・・んv」
逆を言えば、お前の代わりなんていない。
そんなことも分からないんだから、こいつは馬鹿だ。
浮上してくるお前をこうやって迎えてやれるのも、俺しかいないと思っても良いんだろう?
堕ちたければ堕ちればいい。
いつだって、浮上して来るお前を、待っててやるよ。
20050219 御条 保紫
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プロフィール
HN:
羽瀬川
HP:
性別:
女性
職業:
子持ち婆
趣味:
猫いじり 萌語り
自己紹介:
のんびりマッタリ。
すぐ浮かれて小躍りする。
たまに落ち込むが浮上も早い
家族構成:猫は雌多め、人は雄多め
荒ぶる4歳児と転がる0歳児に手一杯
へたれで長髪赤毛や
額に角があったり
顔に刺青と傷のある人LOVE
すぐ浮かれて小躍りする。
たまに落ち込むが浮上も早い
家族構成:猫は雌多め、人は雄多め
荒ぶる4歳児と転がる0歳児に手一杯
へたれで長髪赤毛や
額に角があったり
顔に刺青と傷のある人LOVE
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