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羽瀬川の『ブログというより更新履歴』

更新履歴としか言いようがない・・・

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悟浄と猫。

従兄弟の捲兄に呼ばれ、遙々やってきた俺の目に映ったのは、白い塊。
もこもこと動く綿埃のような。
恐る恐る摘み上げると、それは所謂猫という生き物だった。

「悟浄、お前のマンションペット可だったろ?一匹持って帰れ」
トイレとメシもつけてやる。なんて言う捲兄に、俺は嫌だと言ったが聞き入れては貰えなかった。
まあそれでも猫の方が嫌がれば解って貰えるかなと、煙草臭い手で猫をつつくと、一番真っ白で一番毛の長い猫は捲兄の膝へと逃げていった。

「あー、金蝉は俺以外ダメみたいだからな。ほら、他のはどうよ?」
他のはと言われて残りの猫。
ちょっと生成っぽい毛の紫の目の猫と、黒い毛に翠の目の猫。
どっちも綿埃にしか見えないんですケド?
じーっと猫を見つめると、翠の目の猫が俺に近寄ってきた。
ぺろり。
手を舐める。

「お、そいつが気に入ったみたいだけど、どーする?」
捲兄の言葉に、俺は悩む。
こうストレートに甘えられるのもなれてないので何だかなあって感じ。
紫の目の猫は、物陰に隠れて俺には興味のない感じ。
・・・に、見えたんだけど。
煙草を吸おうと胸ポケットに手を突っ込むとちらり。
ジッポの蓋をかちんと鳴らすとちらり。
煙を吐き出すとちらり。
珈琲に手を伸ばすとちらり。
翠の目の猫が俺に擦り寄るとじろり。
一挙一動全て覗かれている。

素直に甘えられない性格か?こんなにちっこいのに。
摘み上げるとうにゃうにゃと文句を言う。
撫でるとやはりうにゃうにゃと文句を言いながら、でも目を細めて喉を鳴らす。
何だかほっとけない感じ?

「捲兄、コイツくれ」
捲兄はちょっと意外そうな顔をして、猫用品一式を鞄へ詰めて俺へと渡してくれた。

「じゃーわかんねぇコトあったら電話するワ」
俺は子猫を連れて家へと帰った。

「つーコトでよろしくな。ちび・・・じゃなくて、三蔵。」
紫の瞳は、不服そうにしながらも俺の傍を離れようとはせず。
良く分からないまま、俺と猫の三蔵の二人暮らしが始まった。


何となく書いてみたかっただけ。飼い主悟浄という全く持って普通の話。(?)
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プロフィール

HN:
羽瀬川
HP:
性別:
女性
職業:
子持ち婆
趣味:
猫いじり 萌語り
自己紹介:
のんびりマッタリ。
すぐ浮かれて小躍りする。
たまに落ち込むが浮上も早い
家族構成:猫は雌多め、人は雄多め
荒ぶる4歳児と転がる0歳児に手一杯
へたれで長髪赤毛や
額に角があったり
顔に刺青と傷のある人LOVE

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