羽瀬川の『ブログというより更新履歴』
更新履歴としか言いようがない・・・
奇妙な必然 2
小雨の降るある日、いつも通り歩いていると黒い大きな鳥がばさばさと暴れている。
烏だ。
大きな体はあまり近寄りたくない雰囲気を醸し出し、ぎゃあぎゃあと言う泣き声は耳障り。
悟浄は早足でその場を通り抜けようとしたのだが。
ついちらりと見た烏の足元で、黒色の生き物みたいな物が見える。
ぱちりと開いた翠色の瞳と、ぱちりと視線が合ってしまった。
やべっ
自然界の摂理、強い物が勝ち弱い物が負ける。
弱肉強食。
今まさに片目を潰され息の根を止められようとしている黒い生き物。
放っておくに限るのだが、気が付けば持っている傘を烏目掛けて投げつけていた。
ぎゃあぎゃあと烏は叫びながら空に舞い上がる。
烏は賢く執念深い生き物だ。
このまま放置したらきっとすぐまたこの生き物を襲うだろう。
下手したら、悟浄が襲われるかもしれない。
悟浄は慌てて傘を拾い、黒い生き物を拾い、走り出した。
黒い毛皮で分からなかったが、手に取ると生暖かい赤い血がべとりとそこを染めあげた。
上がりつつあった小雨、持っているのももどかしくなった傘を放り投げてその生き物を近くの獣医へと連れていった。
「目が片方、ダメになっていますね」
獣医に連れていってやっとそれが猫だと言うことに気が付いた。
治療して貰い、血と水で濡れた体も綺麗に拭われると、短毛と長毛の間位の毛の長さの小さな猫が現れた。
「とりあえず暫く入院になりますね」
連絡先を記入しながら、簡単な説明を受ける。
こちらも簡単な質問に答える。
猫の飼い主ではないこと、烏に教われているのを助けたこと、ペット禁止のアパートに住んでいること。
「飼い主や引取先を一応捜してみますが、多分これでは無理だと思いますから覚悟して置いて下さいね」
片目のダメになった猫、飼いたいというような物好きは確かに居ないだろう。
曖昧に返事を返し、悟浄は獣医を後にした。
『そろそろ連れて帰っても大丈夫ですよ』
数日後獣医に行くと、しっかり自分の足で立ち上がっている猫。
痛々しい片目は、もう2度と光を受け入れることはないだろう。
やはり飼い主も引き取り手も見つからなかった仔猫。
数日分の薬と大量のドライフードのサンプルと仔猫を受け取り、有無を言わさず鞄に突っ込んで獣医を後にした。
「なー、お前うちでは飼ってやれねぇんだけど」
とりあえず家に連れてきたモノの、ここはペット禁止。
ばれると追い出されることは確実だ。
切々と語る悟浄に、仔猫は翠の瞳で悟浄を見つめる。
そっと悟浄へと伸ばされた小さな前足は、しっかりと悟浄を掴んで離さない。
「それにな?俺生き物飼ったこともねぇし」
しっかり爪を立ててシャツから離れない仔猫は、じーっと悟浄を見つめ続けた。
「・・・にゃ。」
小さく小さく鳴く弱々しい声。
悟浄は『あーもう!』と大きな声で叫んで猫を撫でた。
「ルールだけは守れよ?大きな声で鳴いたり、暴れたりするなよ」
「にゃ」
悟浄の言葉が分かるのか、猫は小さく返事をした。
喉を撫でるとごろごろと大きな音を鳴らし、仔猫は気持ちよさそうに目を細めた。
「じゃ、よろしくな・・・八戒」
もちょっと続く。
烏だ。
大きな体はあまり近寄りたくない雰囲気を醸し出し、ぎゃあぎゃあと言う泣き声は耳障り。
悟浄は早足でその場を通り抜けようとしたのだが。
ついちらりと見た烏の足元で、黒色の生き物みたいな物が見える。
ぱちりと開いた翠色の瞳と、ぱちりと視線が合ってしまった。
やべっ
自然界の摂理、強い物が勝ち弱い物が負ける。
弱肉強食。
今まさに片目を潰され息の根を止められようとしている黒い生き物。
放っておくに限るのだが、気が付けば持っている傘を烏目掛けて投げつけていた。
ぎゃあぎゃあと烏は叫びながら空に舞い上がる。
烏は賢く執念深い生き物だ。
このまま放置したらきっとすぐまたこの生き物を襲うだろう。
下手したら、悟浄が襲われるかもしれない。
悟浄は慌てて傘を拾い、黒い生き物を拾い、走り出した。
黒い毛皮で分からなかったが、手に取ると生暖かい赤い血がべとりとそこを染めあげた。
上がりつつあった小雨、持っているのももどかしくなった傘を放り投げてその生き物を近くの獣医へと連れていった。
「目が片方、ダメになっていますね」
獣医に連れていってやっとそれが猫だと言うことに気が付いた。
治療して貰い、血と水で濡れた体も綺麗に拭われると、短毛と長毛の間位の毛の長さの小さな猫が現れた。
「とりあえず暫く入院になりますね」
連絡先を記入しながら、簡単な説明を受ける。
こちらも簡単な質問に答える。
猫の飼い主ではないこと、烏に教われているのを助けたこと、ペット禁止のアパートに住んでいること。
「飼い主や引取先を一応捜してみますが、多分これでは無理だと思いますから覚悟して置いて下さいね」
片目のダメになった猫、飼いたいというような物好きは確かに居ないだろう。
曖昧に返事を返し、悟浄は獣医を後にした。
『そろそろ連れて帰っても大丈夫ですよ』
数日後獣医に行くと、しっかり自分の足で立ち上がっている猫。
痛々しい片目は、もう2度と光を受け入れることはないだろう。
やはり飼い主も引き取り手も見つからなかった仔猫。
数日分の薬と大量のドライフードのサンプルと仔猫を受け取り、有無を言わさず鞄に突っ込んで獣医を後にした。
「なー、お前うちでは飼ってやれねぇんだけど」
とりあえず家に連れてきたモノの、ここはペット禁止。
ばれると追い出されることは確実だ。
切々と語る悟浄に、仔猫は翠の瞳で悟浄を見つめる。
そっと悟浄へと伸ばされた小さな前足は、しっかりと悟浄を掴んで離さない。
「それにな?俺生き物飼ったこともねぇし」
しっかり爪を立ててシャツから離れない仔猫は、じーっと悟浄を見つめ続けた。
「・・・にゃ。」
小さく小さく鳴く弱々しい声。
悟浄は『あーもう!』と大きな声で叫んで猫を撫でた。
「ルールだけは守れよ?大きな声で鳴いたり、暴れたりするなよ」
「にゃ」
悟浄の言葉が分かるのか、猫は小さく返事をした。
喉を撫でるとごろごろと大きな音を鳴らし、仔猫は気持ちよさそうに目を細めた。
「じゃ、よろしくな・・・八戒」
もちょっと続く。
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プロフィール
HN:
羽瀬川
HP:
性別:
女性
職業:
子持ち婆
趣味:
猫いじり 萌語り
自己紹介:
のんびりマッタリ。
すぐ浮かれて小躍りする。
たまに落ち込むが浮上も早い
家族構成:猫は雌多め、人は雄多め
荒ぶる4歳児と転がる0歳児に手一杯
へたれで長髪赤毛や
額に角があったり
顔に刺青と傷のある人LOVE
すぐ浮かれて小躍りする。
たまに落ち込むが浮上も早い
家族構成:猫は雌多め、人は雄多め
荒ぶる4歳児と転がる0歳児に手一杯
へたれで長髪赤毛や
額に角があったり
顔に刺青と傷のある人LOVE
この記事へのコメント
無題
こちらでも読みのもの発見♪
宝箱やぁ〜〜〜〜♪
すてきだわ!
保っちゃ〜〜んっ!
続きも期待よん♪
無題